BtoBステップメールはストーリー戦略が命。顧客に響くシナリオ4選

BtoBビジネスでメールマーケティングを行う企業は増えており、その中でも、ステップメールはBtoBビジネスでも効果的です。

しかしながら、BtoBのステップメールの成功事例をなかなか目に触れる機会がありません。

ステップメールの開封率やクリック率も、いったいどれくらいが妥当なのか正直見当がつきません。

一般的には、メルマガのクリック率は配信数の1%程度と言われています。1,000通送ったら10人がクリックしてくれる想定です。メール内のURLの数や、コンテンツの内容、配信対象によって割合は変わってくると思いますが、一つの参考値にはなります。

 

ではBtoBのステップメールは?

送信リストを集める方法にもよりますが、普通に考えるとメルマガよりは開封率やクリック率は高まります。

 

私の事業では、BtoBのステップメールのクリック率は約10~15%で推移しています。

改善点が明確になっているので、もう少し高めることはできるだろうなとの感覚はあります。運用実績とシナリオは下記で公開しているのでご興味ありましたらご高覧ください。

【事例公開】BtoBステップメールで開封率30%・クリック率16%の運用考察

ストーリー戦略、シナリオ設計が練られたステップメールは、上述の事例の通り確実に有効な施策の1つとなり得ます。

では、自身の実践から学んだ、顧客に響くシナリオ設計のポイントをご紹介します。

 

ステップメールとは?メルマガとの違いは?使い分けは?

ステップメールとメルマガの違い

・メルマガ:メールが届く日時は全員同じ

・ステップメール:予め設定した条件を起点に、スケジュールに沿ってメールが送付される

 

モヤッとしている方向けに、ステップメールを具体的な事例で紹介します。

例)「ホームページから資料請求」(メールアドレス登録)
1通目:すぐに「お礼のメール」
2通目:7日後に「資料が届いたかの確認」と「商品/サービスの紹介」
3通目:14日後に「導入事例の紹介」
4通目:21日後に「キャンペーンの案内」

 

ステップメールとメルマガの使い分け方

「全ての人に一度は伝えたい内容」…ステップメール

「鮮度が重要な新しい情報」…メルマガ

 

例えば、自社の強みの訴求、ブランドの訴求、商品の開発背景や課題を解決するお役立ち情報、競合製品との差別化などは、どのような顧客に対しても伝えたい内容のため、ステップメール向きです。

 

BtoBのステップメールは効率的かつ効果的!4つのメリット

ステップメールは、検討顧客の気持ちを高ぶらせる、または案件化率が高そうなリードを絞り込むために有効な施策の一つです。

「資料請求してリードを獲得できたなら、電話した方が速いのでは?」という声を発する方もいるかもしれません。しかしながら、電話しても案件化率が高くない状況であれば、ステップメールは効果的な施策になる可能性があります。

 

1)より多くの潜在顧客にリードナーチャリングができる

電話やメールでの個別の営業活動にはマンパワーの限界があります。特に検討期間が長いBtoBビジネスの場合は、いかに潜在顧客に対して効率的に自社や商品に対する理解を深めてもらうかがポイントになります。

ステップメールなら、多くの潜在顧客に対していわゆるリードナーチャリング(見込み顧客の育成)ができます。

 

2)確度が高い顧客へアプローチできる

自社の商品やサービスについて何の知識もない顧客にアプローチするより、ステップメールを通してある程度理解が進んだ顧客に営業したほうが、確実に案件化率が高いのは明白です。

また、マーケティングオートメーション系のサービスを導入し、ステップメールの開封率やクリック率を確認できる環境があれば、顧客の興味度合いがわかるので、よりアプローチの優先順位付けがしやすくなります。

 

3)営業スキルを均一化できる

訴求ポイントをまとめたステップメールで運用することで、営業活動の初期段階におけるアプローチに関して、営業個人のスキルのバラツキに左右されることがなく、見込み顧客にアプローチができます。

 

4)属人化を防ぐ(メルマガよりもハードルが低い)

メルマガの発信は、組織として運用ができれば勿論良いのですが、往々にして属人的になりがちです。今の担当者がいなくなったら続けられなくなったという事態が起きたら会社としては致命的です。ステップメールであれば、フォーマットとシナリオを決めたら属人的にならず運用することができます。(もちろん、改善は必要です)

 

ちなみに、外資系企業では、BtoBの営業ステップメールが非常に効率的に使われていて、日本のように営業マンが外回りしたり電話でアポ取りしたりすることは少ないようです。

検討開始から導入決定までの期間が長いBtoBビジネスでは、見込み顧客への定期的なフォローが重要です。見込み顧客の数が多いと、全ての人をフォローするのは非常に大変です。

徐々に興味・関心を高めていくステップメールは、対象となる見込み顧客に対して自動でフォローメールを送ることができるため、営業活動の効率化にも繋がります。

 

BtoBステップメールの目的・位置づけ

顧客の購買プロセスの中でステップメールをどのように活用するかを考えることが必要です。

BtoBビジネスの場合、営業によるクロージングがなければ受注まで漕ぎ着けることは少ないと思います。従って、ステップメールの目的は、自社商品やサービスを販売することではなく、自社または商品に興味を持ってもらい、理解深めるものとの位置づけにしたい時に最も効果を発揮する施策です。

つまり、ステップメールは見込み顧客が比較検討段階で数社に絞る際に、その数社に残れるようにするための施策と考えると自ずとシナリオが浮かんできます。

 

BtoBステップメール作成時のポイント

ステップメールは、顧客が置かれている状況を詳細にイメージすると、格段に作りやすくなります。顧客の温度感、必要としているであろう情報を想定して、各ステップのシナリオを組むと良いです。

 

初期段階のメールは、顧客にとって役に立つ情報を提示

もし自分がステップメールを受け取る立場だったら・・・。最初のメールから売り込みを掛けられ、それがステップメールとして何回も届いたら「なんか嫌だな」と思いませんか?

営業活動に置き換えると、最初から売る気満々でいくよりも、最初は探りを入れながらコミュニケーションをとっていきますよね。メールアドレスをどのタイミングで取得したかにもよりますが、考え方のベースは実際の営業活動もステップメールも同じです。

例)資料請求のお礼や届いたか否かの確認。自社や商品のさりげない紹介。課題を解決するお役立ち情報の提供など。

 

徐々に、ソリューションや具体的な比較を紹介

コミュニケーションが取れたら、徐々にソリューションの紹介を行います。顧客の検討フェーズを意識したメールにすることが重要です。検討フェーズ別のコンテンツマップ(羅針盤)は下記をご確認ください。

BtoBコンテンツマーケティングの鉄板シナリオ

そして、最終的にステップメールのゴールへと導きます。

ゴール例)セミナー、ショールームへの誘導。営業訪問のアポなど。

 

BtoBステップメールの配信タイミング

例)
1通目:名刺獲得から2日以内
2通目:1通目配信から2日以内
3通目:2通目配信から1週間後
4通目:3通目配信から1週間後

どのステップメールでも同じですが、一番レスポンスが良いのは1通目
配信タイミングはとても大事です。

メールアドレスを獲得したタイミングにあった内容を私的メールのように送るのがポイントです。例えば、資料請求だったら「届いたか?」のさりげない確認。お役立ち資料のPDFダウンロードだったら、情報収集中と思われる場合は「参考になったか?他にもこんな情報もある」など、相手に合わせた内容にすること。

2通目以降の配信タイミングも、くどくなりすぎず、忘れられるほど間を開けず…というさじ加減を考える必要があります。ただし、この配信タイミングには正解がありません。仮説を立て繰り返しPDCAを回すことが重要です。

 

ステップメールはストーリー戦略とシナリオ設計が命

効果の高いステップメールの配信には、「ストーリー」戦略と「シナリオ」設計がポイントになります。

そのためには、顧客の購買プロセスにおける行動パターンを強く意識する必要があります。

例えば、他社との比較をしている人のもとに、タイミング良く自社と他社の比較情報が届けば、じっくりと読んで自社製品に対する理解を深めていただく確率は断然高くなります。

その為には、顧客の心理を考えた上で、1通1通のステップメールの目的を明確にすることが重要です。

 

 

起点から考える、顧客に響くストーリー(シナリオ)4選

フェア・セミナー参加者向け

配信対象:フェアやセミナーに参加した方

見込み顧客の心情:ある課題の解決に向けて、情報収集を幅広く行っている段階

ステップメールの例:
1通目:参加の御礼、業界における一般的なお役立ち情報【御礼】
2通目:自社の強み、商品の強み【ブランド認知】
(期間をおいて)
3通目:別のお役立ち情報、別のセミナーやショールームの案内、他社比較やコストシミュレーションなどの具体的な検討コンテンツ【商品訴求】

フェアやセミナーに参加いただいた後も、相手の役に立つ情報を送りながら、自社や商品を紹介しつつ、見込み顧客の意識を高めていきます。

 

資料をダウンロードした方向け

お役立ち資料など、資料の内容にもよりますが、何らかの課題は持ちつつも問い合わせするまでには至っていない状況です。

配信対象:お役立ち資料をダウンロードした方

見込み顧客の心情:ある課題の解決に向けて、具体的に情報収集を行っている段階

ステップメールの例:
1通目:資料ダウンロードの御礼【御礼】
2〜3通目:更なる課題解決の事例【お役立ち情報】
4通目:自社の強み、商品の強み【ブランド認知】
5通目:セミナーやショールームなどの案内【オフラインへの誘導】

資料ダウンロードしただけでは、まだまだ距離感があります。例え架電をしても「情報収集中」といってやんわりとかわされる可能性が高い状況です。この状況では、相手の役に立つ情報を送りながら、徐々にコミュニケーションをとりつつ見込み顧客との距離を詰めていくことがポイントです。

 

資料請求した方向け

資料請求する=会社名・部署・名前・住所・電話番号などの資料を入手するために、個人または会社情報を登録している状況です。

配信対象:資料請求した方

見込み顧客の心情:(個人情報を渡しても良いから)資料を見てみたい

ステップメールの例:
1通目:資料請求の御礼【御礼】
2通目:具体的な課題解決のモデルケース紹介、他社比較やコストシミュレーションなどの具体的な検討コンテンツ【商品訴求】
3通目:セミナーやショールームなどの案内【オフラインへの誘導】
無料トライアルやキャンペーンの案内【ひと押し】

資料請求していただくと個人情報は入手できます。しかしながら、一方で見込み顧客の検討状況には差があります。個人情報を気にせず比較的気軽に資料請求する方もいれば、数社に絞った段階で資料請求する方もいます。従って、あるべき姿は、ステップメールでクリックの反応を見ながら配信するメール、つまりシナリオをわけるべきです。

 

商品・サービスを購入した顧客向け

商品やサービスを購入いただいた状況です。

配信対象:商品やサービスを購入した後の状態。(営業がメールアドレスを入手している、または無償保証の登録時にメールアドレスを入手しているなど)

見込み顧客の心情:(購入したからには)使いこなしたい。導入したことで、コスト削減や生産性の向上などの成果を出したい。

ステップメールの例:
1通目:購入の御礼、問い合わせ先やよくある問い合わせの紹介【お役立ち情報】
2通目:使い方や更なる活用方法の案内【お役立ち情報】
(不定期、または期間をおいて)
3通目:バージョンアップ、活用方法の案内、アンケートなどで改善ヒアリング【継続的なコミュニケーション】

購入後のフォローは重要ですが、営業としてはあまり時間をかけたくないのが本音です。従って、フォローの一部はステップメールを活用して営業生産性を上げることも手段の一つです。

 

少しでもBtoBステップメールのヒントになれば嬉しい限りです。また、成功事例がありましたら教えていただけますと幸いです。

 

BtoBのステップメールを成功に導くには、キラーコンテンツも必要

今回、ストーリー戦略とシナリオ設計のポイントを紹介しましたが、ステップメールの成功には顧客の行動を後押しするキラーコンテンツも必要です。

おすすめキラーコンテンツは下記で紹介しています。

BtoBのリードナーチャリングを成功に導くキラーコンテンツ3選

 

ステップメールの検討時に参考になるおすすめ本

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以上、「BtoBステップメールはストーリー戦略が命。顧客に響くシナリオ4選」を紹介しました。

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