Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使っている方はいますが、BtoBマーケターでGoogleサーチコンソールの使い方を熟知し、活用している方はまだまだ少ない状況です。
Googleサーチコンソールは、マーケティングにものすごく活用できるので、使い方を覚え活用することをおすすめします。
そこで、今回は集客力の強化に使えるサーチコンソールの活用方法、着眼点と分析手法を初級編と中級編にわけてご紹介します。
本記事の最後で「サーチコンソールを活用したサイト改善手法8選」をダウンロードできます。お手元においてご活用ください。
- 1 Google Search Console(グーグルサーチコンソール)とは?
- 2 GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの違いは?
- 3 Googleサーチコンソールの活用はこんなBtoBマーケターにおすすめ
- 4 Googleサーチコンソールの使い方。メイン機能「検索パフォーマンス」画面を解説
- 5 Googleサーチコンソールの活用事例
- 6 集客を改善する!Googleサーチコンソールの使い方・活用方法【初級編 3選】
- 7 集客を改善する!Googleサーチコンソールの使い方・活用方法【中級編 4選】
- 8 Googleサーチコンソールのその他の活用方法 【リンク編 2選】
- 9 【おまけ】ウェブマスター向けの機能一覧
- 10 まとめ
- 11 Googleサーチコンソールを詳しく勉強したい方向けのおすすめ書籍
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)とは?
Google Search Console (サーチコンソール)は、Google 検索結果でのサイトの掲載順位を監視、管理、改善するのに役立つ Google の無料サービスです。Search Console に登録しなくても Google 検索結果にサイトが表示されるようにすることはできますが、Search Console に登録することで、Google のサイトに対する認識を理解し、改善できるようになります。
公式サイトには上記の記載があります。
私自身は「サーチコンソールは、ウェブサイトの集客力をアップするために、SEO対策を助けてくれる超強力な無料サービス」と呼んでいます。
“SEO”という言葉を耳にしたことがある方は必読の「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google」がGoogleサーチコンソールのヘルプ画面内にあることからもSEOに役立つことは明らかです。
GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールの違いは?
「Googleサーチコンソールって、Googleアナリティクスみたいなもの?」「Googleアナリティクスと何が違うの?」という声を聞きます。
このような方向けにざっくり比較すると下記の違いがあります。
- Googleアナリティクス…ウェブサイトへ来た後のサイト分析
何人の人が、どこから来て、何を見て、どんな行動をしているのか。 - Googleサーチコンソール…ウェブサイトへ来る前のキーワード分析
どんな検索で集客できているのか。キーワードの検索ニーズはどれくらいか。
「どちらが重要ですか?」と聞かれることもありますが、どちらも重要です。
例えば、あなたがスーパーを経営しているとしたらどうでしょうか、。
お店に入った人にたくさん買ってもらえるように、ディスプレイや店内ポップ、レジ前の陳列などの導線を工夫しますよね。これがGoogleアナリティクスの役割です。
また、そもそもお店に来てもらうために、魚や肉など何がウリのお店なのかといった商圏内でのポジショニングを意識しつつ、チラシの打ち出しを行ったりしますよね。このようにどんな打ち出しがお客さんを惹きつけるのかを分析するのが、サーチコンソールの役割です。
Googleサーチコンソールの活用はこんなBtoBマーケターにおすすめ
- どんな検索キーワードでサイトに来ているか把握したい。
- キーワードの検索ニーズを知りたい。
Googleサーチコンソールは、ウェブマスターやウェブ担当者などの職種の方も重宝する機能がありますが、今回は”BtoBマーケターが活用する“という視点でまとめているので、BtoBマーケターが直接関わることが少ない「URL検査(昔のFetch as Googleなど)」はかんたんに紹介する程度に留めています。
Googleサーチコンソールの使い方。メイン機能「検索パフォーマンス」画面を解説
BtoBマーケターが活用できる機能は「検索パフォーマンス」。Googleサーチコンソールのメインの機能です。
指標は「クリック数」「表示回数」「CTR」「掲載順位」の4つ。
いずれも、Googleサーチコンソールの、「検索パフォーマンス(旧画面の場合は、検索アナリティクス)」画面で数値を確認できます。
それでは、指標の意味を解説します。
クリック数 | クリック数とは、運営しているサイトがGoogleの検索結果に表示され、クリックして訪問してきた数のこと。 |
表示回数 | 表示回数とは、運営しているサイトが検索結果に表示された回数のこと。 重要なポイントは、表示されただけでクリックされていない回数も含まれているという点。 |
CTR(Click Through Rate) | CTRとは、「クリック率」のこと。 例えば、「勤怠システム」で検索されたとき、表示回数が1,000回、クリック数が10回なら、 10÷1,000=1.0%(CTR) となる。 |
掲載順位 | 掲載順位は、Googleでそのキーワードが検索されたときの検索結果の順位のこと。 狙っているキーワードが、何位にいるかチェックできる。 |
Googleサーチコンソールの活用事例
重点対策キーワードを選定しコンテンツ強化で集客を増加
効果的なコンテンツマーケティングを展開するには、サーチコンソールの活用が不可欠です。
ユーザーが何を求めて検索しているのか(ユーザーニーズ)を把握せずに、コンテンツを公開しても独りよがりになってしまうから。
BtoB事業を管轄している私の経験で すが、2年9ヶ月でサイトへの集客ユーザー数6.5倍、自然検索での流入数は約17倍、結果的に受注数4.4倍を実現した事例があります。
ご興味ある方は「【事例付】BtoBサイトのコンテンツマーケティング手法31選」で紹介しているのでご一読ください。
それでは、サーチコンソールの活用方法を初級編と中級編にわけて解説します。
初級編はサーチコンソールの画面を見ながら分析できます。中級編は少しだけ高度。サーチコンソールの画面だけでは分析しにくいため、データをCSVダウンロードして加工する必要があります。従って、中級編と位置づけています。
まずは初級編から。
集客を改善する!Googleサーチコンソールの使い方・活用方法【初級編 3選】
[検索パフォーマンス]画面のおもなフィルタ
検索タイプ
ウェブ、画像、動画の3種類がある。画像検索や動画検索からのアクセスが多い場合はこちらで確認可能。
日付
最大で過去16ヶ月間、期間を指定できる。日付は手入力や期間での比較も可能。
ページ
日付フィルタの隣にある[新規]をクリックすると、クエリ、ページ、国、デバイス、検索での見え方のフィルタがある。
[ページ]では、URLを指定することができる。ページ指定、あるディレクトリ配下を含む指定などが可能。
デバイス
PC、モバイル、タブレット別のパフォーマンスを比較できる。
クエリ
キーワードを絞り込むことができる。
【初級編 1】 集客できているキーワードを把握する
目的:集客できているキーワードを把握する。
手順:
- [検索パフォーマンス]- [クエリ] タブをクリック。
- [クリック数]の横にある、下向きの小さい矢印をクリックすると、クリック数が多い順に並べ替えることができる。
改善のヒント:
- 検索結果に表示されているページがコンバージョンにつながるようにCTAや導線を最適化する。
- 順位を維持できるように定期的に更新する。
- 順位が低いけれど同じくらい重要な関連ページにリンクを貼る。
【初級編 2】 SEO対策の成果を確認する
目的:SEO対策を行っているキーワードの検索順位を確認する
手順:
- [検索パフォーマンス]- フィルタ欄の[新規] – [検索キーワード]をクリック。
- キーワードを入力する。
ポイント:
- キーワードやサイトによっては、検索順位が上がるまでに半年から1年かかることがある。その間の順位経過を把握することは、対策がうまくいっているかどうか確認するために推移をみることは重要。
【初級編 3】 サイト全体(またはページ毎)のクエリを見て改善する
目的:ページの集客力を改善する。
おもな手順:
- [検索パフォーマンス]- フィルタ欄の[新規] – [ページ]をクリック。
- URLを入力する。
改善のおもなヒント:
- 掲載順位が高い(1〜10位)のに、クリック率が低いキーワード
タイトルかディスクリプションを見直す。タイトルやディスクリプションを見たユーザーが「そのページには求めている情報はない」と判断しているため。 - 掲載順位が低いのに、クリック率が高いキーワード
大化けするかもしれないお宝ワード。知りたい情報が検索上位ページにはなく必死で探してたどり着いたということ。 - 検索順位が11〜20位のページ
11位〜20位のページは、検索結果の2ページ目ということ。あと少しがんばれば1ページ目(10位以内)に入れるチャンスがあるもったいないページです。このようなページはリライトしましょう。上位のコンテンツを分析しながらユーザーが欲している情報を追加します。
※具体的な手順は、後述の中級編を参照ください。
続いて中級編へ。
集客を改善する!Googleサーチコンソールの使い方・活用方法【中級編 4選】
中級編でできることは、「集客を改善するための改善箇所を特定する」「集客に貢献するターゲットキーワードを見つける」の2点。
ただし、Googleサーチコンソールの画面だけでは分析しにくいため、データをCSVダウンロードして加工する必要があります。
CSVダウンロードして分析するにはテクニックが必要なため、かんたんに分析できるダッシュボードを無料公開しました。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。(ダッシュボードは個人情報の入力ナシで利用できます)
才流(サイル)のメソッド「サーチコンソール×Looker Studioの2軸分析活用法~オウンドメディアの改善箇所をひと…
注目すべき箇所(数値の見方)を4象限で確認
下記の図は、掲載順位とクリック率の関係、掲載順位と表示回数の関係を4象限で表しています。
注目すべき箇所は、上図の「改善」「伸び代」「お宝」の3箇所。この3つは覚えてください。
掲載順位とCTR(クリック率)の関係の数値は、調査サイトにより異なりますが、
私が目安として頭の片隅に入れている数字は「1位:約30%、3〜4位:約10%、10位:約2%」です。この数字の背景は、下記の記事で解説しています。興味ある方はお読みください。
Google検索のクリック率と掲載順位の関係が気になるから、海外の3つの調査結果と国内のサイトを比較してみた|note
この平均値と、運営しているサイトの実際のCTRを比較し、集客がうまくいっているのかどうか分析します。
【中級編 4】「改善」掲載順位が高いのに、クリック率が低い
解説:
掲載順位が高い(1〜10位)のにクリック率が低いということは、タイトルかディスクリプションに問題がある。
おもな要因:
タイトルやディスクリプションを見たユーザーは「そのページには求めている情報はない」と判断している。
改善方法:
- そのキーワードで実際に検索する。
- 検索するユーザーがどんな情報を求めているか、検索意図を想像する
- 検索上位にあるサイトのタイトル、ディスクリプションを分析にする
- 自社がクリックされる理由(強み)を発揮できるタイトル、ディスクリプションを考える。
- タイトル、ディスクリプションを書き換える。
※タイトルとディスクリプションに固執し過ぎて、コンテンツとマッチしていない内容にしても意味がありません。タイトル、ディスクリプションは記事内容に合っていることは前提です。
【中級編 5】「伸び代」 掲載順位が低いのに、表示回数が多い
解説:
掲載順位が低い(3〜20位)のに、検索結果の表示回数が多いということは、ユーザーが求めている情報が上位のページにはないということ。
おもな要因:
- 知りたい情報が検索結果の上位ページにはなかった。
- 検索結果の上位ページでは、満足できなかった。
- 手間と時間をかけてでもその情報が欲しいと求めている。(とにかく情報が欲しいと思うほど悩んでいる)
改善方法:
- 検索している人が本当に知りたい情報は何か、想像する。
- 検索上位のページをみて、不足している情報は何かを考える。
- 不足している情報をコンテンツに反映し修正する。または、新規でコンテンツを公開する。
※3位未満としているのは、筆者の感覚値です。サイトやキーワードによっては5位未満、10位未満・・・と基準を変えた方が良いこともあります。
【中級編 6】「お宝」 掲載順位が低いのに、クリック率が高い
解説:
掲載順位が低い(10位圏外)のにクリックされるということは、知りたい情報が検索上位ページにはないということ。もしかしたら、掲載順位上の競合も気づいていないキーワードかもしれない。
適切な対策を行えば大化けする可能性が高いため、お宝キーワードと呼ぶ。
おもな要因:
「伸び代」と同じ。
改善方法:
「伸び代」と同じ。
紹介した4つの分析は、すべて2軸で分析する必要があります。
CSVダウンロードして分析するには工数がかかるなため、かんたんに分析できるダッシュボードを無料公開しました。
詳しくはこちらの記事で紹介しています。(ダッシュボードは個人情報の入力ナシで利用できます)
才流(サイル)のメソッド「サーチコンソール×Looker Studioの2軸分析活用法~オウンドメディアの改善箇所をひと…
Googleサーチコンソールのその他の活用方法 【リンク編 2選】
Googleサーチコンソールは、検索パフォーマンス機能の他にもマーケターが使える機能があります。
使い方によっては活用できるのでいくつか紹介します。
【リンク編 7】 被リンクが多いURLを特定する
目的:
集客できているキーワードを把握する。
手順:
- [リンク]-[上位のリンクされているページ]のレポートを開く。
- [リンク]の横にある下向きの矢印をクリックすると、被リンクが多い順に並べ替えることができる。
改善のヒント:
ページの検索順位を上げるには、被リンクの多いページからリンクさせると有効な場合がある。なぜなら、被リンクの多いページは必要とされている証拠(オーソリティが高い)になるため。そのページからリンクすることで、高いオーソリティを利用できる場合がある。
【リンク編 8】 ページがどこからリンクされているか特定する
目的:
ページがどこからリンクされているか特定する
手順:
[リンク]-[上位のリンクされているページ]のレポートを開く。
フィルタから[ターゲットページ]をクリックし、調査したいURLを入力する。
調査したいURLが表示されたら、URLをクリックするとリンクしている外部サイトを確認できる
活用のポイント:
ページを削除したり、URL変更する際の影響を確認する。
リンクしている企業と組んでプロモーション施策を展開する。
【おまけ】ウェブマスター向けの機能一覧
URL検査
昔の“Fetch as Google”の機能を含んでいる。
サーチコンソール画面の上部にある[(ドメイン名)」内のすべてのURLを検査“と表示されているフォーム]にインデックスさせたいURLを入力する。
“インデックス登録をリクエスト”をクリックし、Googleクローラーに申請できる。
インデックス カバレッジ
正しくインデックスされているか
何らかのエラーによってインデックス削除されていないか
no indexにしているページが正しく処理されているか
これらのチェックを簡単に行うことができる。
サイトマップ
サイトマップとは、サイト上のページや動画などのファイルについての情報や、各ファイルの関係を伝えるファイルのこと。Google などの検索エンジンは、このファイルを読み込んで、より高度なクロールを行う。
参考:サイトマップについて|Search Consoleヘルプ
速度(試験運用版)
低速なサイトを修正してユーザーエクスペリエンスを改善する。
参考:低速なサイトを修正してユーザー エクスペリエンスを改善する|Search Consoleヘルプ
モバイルユーザビリティ
プロパティのページのうち、モバイル端末で表示した場合にユーザビリティの問題があるものを特定できる。
参考:モバイル ユーザビリティ レポート|Search Consoleヘルプ
AMP
Google 検索結果におけるAMPページ固有の機能の見え方に影響を与えるエラーを修正する際に役立つ。
参考:AMP ステータス レポート|Search Consoleヘルプ
まとめ
BtoBマーケターがGoogleサーチコンソールを活用するための着眼点を紹介しました。
BtoBマーケターがSEO対策に使えるサーチコンソールの活用方法は8つ。
【初級編 1】 集客できているキーワードを把握する
【初級編 2】 SEO対策の成果を確認する
【初級編 3】 サイト全体(またはページ毎)のクエリを見て改善する
【中級編 4】「改善」掲載順位が高いのに、クリック率が低い
【中級編 5】「伸び代」 掲載順位が低いのに、表示回数が多い
【中級編 6】「お宝」 掲載順位が低いのに、クリック率が高い
【リンク編 7】 被リンクが多いURLを特定する
【リンク編 8】 ページがどこからリンクされているか特定する
Googleサーチコンソールの活用は、ウェブサイトの集客力アップには欠かせません。ただ、それに気付いていない方が多いのも事実です。つまり、あまり注目されていないからこそチャンスなのです。これを機にGoogleサーチコンソールの活用方法を検討することをおすすめします。
最後に一言だけ最も重要なことを書いてこの記事を終えます。
公開してから分析・改善を繰り返すことが重要
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