BtoBのメールマーケティング実践ガイド

メール自体は昔からある手法ですが、いまも古びていません。なぜなら、BtoBではメールは最高のタッチポイントだから。メールを見ていない人はほぼいません。だから、確実に届くのです。そして工夫をすれば見てもらえる可能性が高いのです。

そんなメールをマーケティング要素を取り入れて解説します。よくある解説記事はベンダーや代理店発信の記事が多いのですが、筆者は事業会社のイチマーケティング担当なので、自身の経験を踏まえ、冷静に客観的に良い悪いを分析しました。

著者
筆者は営業の頃から10年以上、メルマガや自動配信メールを続けています。配信対象は、顧客/取引先/社内/プライベートなどさまざま。続けられている理由は、自身の性格(資質)も関係していると思いますが、一番の理由は効果が高いからです。
この経験をベースに体系立てて本記事にまとめました。

 

本記事の内容をPDFでダウンロードできます。PDFでは、本記事では触れていない「平均閲覧率31%/平均クリック率8%のステップメール作成のコツ」や「成果に繋げるためのTIPS」も紹介しています。

 

メールマーケティングとは

メールマーケティングとは、メールを活用したマーケティングのことです。

目的は行動に移してもらうこと。そのためのポイントは、「適切な顧客に、適切なタイミングで、的確なコンテンツを届ける」こと。この3つが開封率、クリック率の数値に影響します。

数値がどう影響するか、顧客の購買プロセスで考えてみましょう。

例えば、課題を認識したばかりの方に、いきなり「お得なキャンペーンのご案内」メールを送っても、私には関係ないと無視されるだけです。当然ですよね。本来、課題認識ステージの方にはお役立ち情報を送ったり、自社のことをさりげなく紹介したりして徐々に信頼関係を構築していく必要があります。

だから、メールマーケティングを展開する場合は、「適切な顧客(Who)に、適切なタイミング(When)で、的確なコンテンツ(What)を届ける」を強く意識することが大切なのです。

 

Who, When, Whatが合致した良いメールの例

カゴ落ちメール

ECサイトに多い。開封率50%、クリック率10%前後の事例も。

イベント・セミナー後の資料DLメール

開封率50%、クリック率10%前後も珍しくない。オンラインセミナーになると、さらに高くなる場合もある。セミナー終了後、当日中に送るとさらに数値が上がる。

 

 

メールマーケティング、3つのメリット(BtoB視点)

メールマーケティングには大きく3つのメリットがあります。

最大のメリットは、 多くの人が使っていること

仕事に使っている主なコミュニケーション手段

一般社団法人日本ビジネスメール協会の調査によると、仕事のコミュニケーション手段としてメールを使っている人が99%、電話は90%でした。「メール」「電話」「会う」の上位3つの並び順は、9年前から同じ。ビジネスではメールが基本なのです。

出典:一般社団法人日本ビジネスメール協会「ビジネスメール実態調査2020」

平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(総務省)

また、上図のとおりビジネスパーソンはプライベートでも「メールを読む・書く」ことに最も時間を費やしています。最近は、10代20代を中心に「動画」や「SNS」も伸びていますが、「メール」はまだ優位性があることは明らかです。

出典:「平成30年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(総務省)

 

つまり、最大のメリットは多くの人が当たり前のように使っていること、タッチポイントとして他チャネルより優れていることです。

低コストで始められる

メールマーケティングは、マーケティング施策の中でも格段に低コストで始められます。投資が必要なものは、メール配信システムくらい。無料のものから数千円程度で利用できるものもあり、企業規模に関わらず誰でも導入しやすい費用感です。

投資対効果が極めて高い

メールマーケティングで配信するリストは、すでにメール配信の許可をいただいている方が対象です。つまり、展示会や資料請求、既存顧客など何らかの接点が1回はあります。だから、不特定多数を相手にする広告よりも高い成果を期待できます。低コストで導入できることも相まって、高い投資対効果が見込めます。

 

デメリットと解決策

メールマーケティングのデメリットは、継続したコンテンツの制作が大変。これに尽きます。

メール自体の制作、社内調整などの負担もありますが、何よりもコンテンツがないと行き詰まります。

後述するメールマーケティングの手法の中でも、特に行き詰まりやすいのがメルマガ。常に新たなコンテンツを配信し続けなかればならないからです。

 

解決策 1)定期的に生まれるネタを盛り込む

「人気記事をランキング形式で紹介」「世の中に出回っている情報のキュレーション」「セミナー開催や展示会への出展案内」「FAQ」など、コンテンツを作らずとも定期的に生まれるネタを盛り込むことで解決できる場合があります。

解決策 2)自動配信の手法を取り入れる

メルマガではなくステップメールやリターゲティングメールといった自動配信形式の手法にすれば、コンテンツには困らず施策を継続できます。

 

広告宣伝メールを送るなら、法律を必ず守ること。

広告宣伝メールを送る際は「特定電子メール法」を厳守する必要があります。知らなかったでは済まされないため、必ず守りましょう。

特定電子メール法のポイント

正式名称 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律
対象 広告宣伝のために送信されるメール
違反すると 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

(法人の場合は、法人に対して3,000万円以下の罰金)

原則ルール オプトイン方式(同意した人にしか広告宣伝メールを送ってはいけない)」である

※例外として、取引関係がある人に送る場合、名刺を”交換”(自分のメールアドレスも開示)した人に送る場合はよい

保存義務 同意をとった記録は保存が必要
(広告宣伝メールを最後に送信した日から1ヶ月)
表示義務 ・送信者情報を偽って送信することは禁止(送信に用いたメールアドレス、IPアドレス、ドメイン名)
・受信拒否をするための案内と方法(URLなど)「オプトアウト(メール受信を拒否した人には送ってはいけない)」がかんたんにできること
・送信者の情報(氏名や住所、問い合わせなどを受け付けることができる連絡先)

詳細は、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント(総務省)をご確認ください。

 

BtoBのメールマーケティング、おもな指標と目安の数値

メール配信施策を検討する際に必ず話題になるのが、「メルマガの開封率、クリック率ってどれくらい?」という疑問。

業種業態、メール配信の種類(メルマガか、ステップメールか、広告メールかなど)によって数値はかなり異なります。そうは言っても聞かれることが多いので、おもな指標と目安の数値をまとめました。

ECサイトでは到達不能率、購読解除率などの指標も意識した方が良いですが、配信母数が少ないBtoBでは「開封率」と「クリック率」の2つの指標だけで事足ります

指標 概要 目安
開封率 メールが開封された割合
※テキストメールの場合は計測できない
15%以上
クリック率 メール内のURLがクリックされた割合
※分母は配信数
1.5%以上

※購読解除率が高いのはリストのセグメントが悪いか、配信内容が悪いかのいずれか。目安として1%を上回るようであれば見直しましょう。
※コンバージョン数・コンバージョン率(メール起点で成果につながった数・率)を意識する場合もあります。

引用:目安の数値は、メール配信サービスを開発販売している株式会社ラクスが公開している資料を参考にさせていただきました。

BtoBのメールマーケティング、おもな手法5選

BtoBにおけるメールマーケティングのおもな手法は「メルマガ」「ターゲティングメール」「ステップメール」「シナリオメール」「リターゲティングメール」の5つあります。それぞれにメリットデメリットがあるので、目的に応じて使い分けることをおすすめします。

メルマガ

おもな目的は「告知・第一想起」です。新製品やキャンペーン、イベントセミナー開催などのお知らせを一斉配信する場合に使用します。継続するのが大変で属人的になりやすいデメリットがありますが、長期的なコミュニケーションの手法として有効です。

ターゲティングメール

おもな目的は「行動喚起」です。首都圏在住者にセミナー案内をする。業種や職種を限定して新製品を案内するなどで使用します。セグメントをわける負荷はかかりますが、ユーザー視点に立つと、自分には関係ないメールを受け取らなくても良くなるため、できる限りセグメントをわけることをおすすめします。

ステップメール

おもな目的は「信頼の獲得、順を追って説明」です。例えば、ある資料をダウンロードしたリードに、3日後に1通目、6日後に2通目、9日後に3通目のメールを設定し、自動配信する手法です。設計に時間がかかりますが、一度設定すれば自動配信されるため、手間にならず属人的にもなりにくいメリットがあります。後ほど詳しく紹介しますが、BtoBではステップメールは投資対効果が高いと実感しています。

 

シナリオメール

おもな目的は「丁寧な対応」です。ステップメールとは違い、途中で分岐があります。自動配信したメール内のURLをクリックしたら、Aというメールを送る。クリックしなかったら何も送らないなどの条件設定を行います。ユーザーの立場を考えた丁寧なコミュニケーションができますが、設計設定の負荷は大きいです。

 

リターゲティングメール

おもな目的は「声掛け、背中を押す」です。ウェブページへのアクセスをトリガーとしてメールを自動配信する手法です。リードが投資対効果シミュレーションページを閲覧したら、個別相談会の案内メールを自動配信するなどの仕組みを構築できます。

 

この中から、今回はシナリオメールとステップメールを掘り下げて解説します。

それって、ビジネスインパクトある?シナリオメールの罠

シナリオの分岐条件を細かく設計したメールは、ユーザー視点に立っていて一見良さそうに見えますが、設計も設定も負荷が大きいのが実情です。その上、設定してもそもそもの配信母数が少ないとビジネスインパクトは小さくなり投資対効果が良くない場合が多い。

結論、配信リストの母数が少ないBtoBでは、シナリオ分岐に凝る必要はありません

ステップメールがBtoB商材に向いている4つの理由

BtoBのメールマーケティング手法の中で、ステップメールは投資対効果が高い手法の1つです。

その理由は4つあります。

1. 多くの見込み顧客に対応できる

検討期間が長いBtoBでは、個別の営業活動に頼ってもマンパワーの限界があります。ステップメールなら、多くの見込み顧客のナーチャリングができます。

2. 営業スキルを均一化できる

ステップメールは見込み顧客に伝えたい内容を設計し順番に自動で配信されます。だから、営業個人のスキルのバラツキに左右されることがなく、見込み顧客に伝えることができます。

3. 属人化を防ぐ(メルマガよりハードルが低い)

メルマガは往々にして属人的になりがちです。担当者がいなくなり続けられなくなったら会社としては致命的…。ステップメールであれば、シナリオを決めて運用を始めたら自動配信されるため、属人的にならずに運用することができます。

4. BtoB商材の中核価値は変わらない

例えば、勤怠管理システムであれば勤怠を効率的に管理できることが中核価値です。機能が向上して付加価値が上がっても基本的な訴求ポイント(=中核価値)は変わらないことが多いのです。

 

アメリカでは多用されているステップメール。筆者自身も海外のツールやサービスの無料トライアルに登録すると、よくステップメールを受け取ります。国内でも、徐々に相手に学習をしてもらうような内容を配信していくものによく使われています。 例えば、情報商材系や士業のノウハウ的なものでは「無料」として登録を促しつつステップメールを使い目的につなげていくのは効果的な手段です。

BtoBでも、無料トライアルを機に使い方のノウハウをステップを踏ん紹介するオンボーディングのような使い方はたまに見かけます。

BtoBでのステップメールの設計方法や配信タイミング、顧客に響くシナリオ例は別ページで詳しくまとめています。

 

メールマーケティングのBtoBでの活用事例

アラートメールで、商談化の機会を逃さない

筆者が管轄している事業では、導入効果のコストシミュレーションページをキラーコンテンツに設定しました。
結果、商談化率50%受注率40%の驚異的な数値を記録した鉄板施策です。

施策概要

商品・サービスの導入を検討しているリード*1が、「導入効果シミュレーション」「価格」「比較」ページなどのキラーコンテンツを閲覧したら、閲覧したことを担当者に通知してくれる。
*1 何らかの形でCookieを付与したリードのみ

効果・活用例

商談化、導入確度が高いリードをタイムリーに知らせることで、機会を逃しません。また、トライアル希望フォームにアクセスしたけど申し込まなかったリードに、2時間後にトライアルのお誘いメールを配信することも可能です。

注意点

・「いま●●のページを見てましたよね?」と言わないよう注意してください。
・この仕組みは、MAツールなど高機能なツールが必要です。

 

商談化の確度が高いリードを抽出する

活用例1)リード抽出

メールをクリックしたリードをリスト化します。そのリードに対して、架電や次の仕掛けを展開することで効率的に進めることができます。
※この機能がないメール配信サービスもあります。

活用例2)検討度合いに応じてアクションをわける

メールの配信リストは、見込み客の購買プロセスのステージ毎にわけると扱いやすくなります。例えば、資料Aが比較検討段階向けであれば、ダウンロードしたらすぐに架電をする流れを作る。資料Bが情報収集段階であれば、ステップメールを送るなど。

 

 

開封率とクリック率を改善したい! 本当に使える9個のTIPS(BtoB版)

誰に送信するか。これが一番大切

リストをきれいにする

捨てメアドや明らかに競合のメールアドレスは削除しましょう。

セグメントをわけて送信する

• クリック率が1%未満の場合は、配信対象が合っているか疑いましょう。
• ユーザーは興味のない情報は受け取りたくないからです。
• 興味のないメールが続くと、その会社に良いイメージを持ちません。

開封率とクリック率のどちらも改善する

配信時間を工夫する

BtoBの場合は一般的には平日の始業前・昼食前・15時頃が良いとされています。迷う場合は、Googleアナリティクスなどで自社サイトへの訪問数が多い時間を調べてそのタイミングに合わせて配信するのも1手です。
Googleアナリティクス 時間帯別分析
Googleアナリティクス 曜日別時間別分析

BtoBで大切なのは、「コンテンツ > 曜日・配信時間」

筆者が運営しているビジネスパーソン向けの某メルマガで配信時間、配信曜日を変えてテストしました。
結論としては、母数が少ないBtoBでは配信時間を気にし過ぎてもビジネスインパクトは限られています。
それよりも、コンテンツを磨くことをおすすめします。

配信は月・火・水・木がおすすめ

メール配信は、月・火・水・木が良いと言われています。金曜を避ける理由は、1週間の終わりで土日に向けて早く仕事を片付けたい心理が働いて忙しいからです。

終業前の時間帯はNG

一般的には始業前と昼食時間帯の配信が良いと言われています。理由は時間があるから。事実、検証結果でも開封率とクリック率は安定しています。誤って0:30に配信したことがありますが、コンテンツが良かったため結果は普段を上回りました。読みたくなるメールと思われるよう、普段から心がけることが最も大切だと感じています。
* メール配信サービスを開発販売している株式会社ラクスが公開している資料を参考にさせていただきました。

開封率を改善する

差出人を個人名にする

差出人が企業名だと、一斉送信の宣伝メールのように見えて開封されにくくなります。(いつも有益な情報を送ってくる企業だと認知されれば、企業名がブランドになるため問題ありません)

件名は刺さる言葉を前に

数あるメールの中から見てもらうには、件名だけでユーザーの意識を引きつけることが重要です。送料無料・期間限定など煽る件名に頼らず、 BtoBの場合はコンテンツを的確に表す表現にすることを優先しましょう。

件名の文字数を意識する

メーラーの一覧画面で表示される文字数には限界があります。また、タイトルの文字数が長すぎると閲覧画面に表示されるコンテンツの表示幅が狭くなってしまいます。文字数は短く的確に表現しましょう。

 

クリック率を改善する

CTAはファーストビューに

メール本文は読まずに件名とファーストビューの数行だけ読んで、詳細はクリックしてページで確認することも多い動作です。CTAはファーストビューと本文最後の2箇所に配置しましょう。
また、文言は「詳細はこちら」ではなく、「詳細をみる」のような自分の意思で行動する表現にするとクリック率が上がります。

1スクロール以内に

1つのメールにかける時間は7秒*と言われています。しかもメールは読み始めると心理的に最後までスクロールしたくなるもの。つまり、文章が長いと読み飛ばされるか、読むのが嫌になります。だから、メインコンテンツ1つあれば十分。本文は端的にしてウェブサイトに誘導しましょう。

クリックしてもらいたい箇所は「ボタン」に

ラクスさんの調査によると、テキストメールのURLがクリックされる数を1とすると、HTMLメールでの文字リンクは3倍、HTMLメールでのボタンは8倍の成果が出ます*

 

平均開封率31%、平均クリック率8%のBtoB向けメルマガ例

本当に使える8個のTIPSを踏まえ、筆者が実際に配信している「HTMLメール」を例にポイントをまとめました。

各項目には着眼点を記載しています。

件名

  • トレンドのキーワードを入れる
  • 読みたくなる件名にする

差出人

  • メールマーケティングでは、一斉配信と思われないように個人名+会社名がベスト

宛名

  • 普通の私信メールと同様に、「(姓)様」とする

本文

  • メインコンテンツ1つだけでも良い。長くても読まないので、要約して短く。続きはクリックしてもらうことを意識する

CTA

  • 行動してもらいたいCTAは目立つボタンに。ファーストビューと最後に設置するのが鉄板

編集後記

  • なくてもよい
  • メルマガの場合は、個人を覚えてもらえるメリットがある。

署名欄

  • 購読・解除がすぐにできること
  • 配信者の連絡先がわかること

BtoBのメールマーケティングでよくある質問

Q. 編集後記や冒頭のひとこと欄を書くのが苦痛です。必要ですか?

メールが読まれるのは7秒と言われているため、長いものは不要。肝心の本文が読まれにくくなる場合があります。
必要か否かは何を目的とするかによって変わります。例えば、自分を覚えてもらいたいならプライベートに少し触れると受け手との共通項が生まれやすくなり親近感を抱きます。心理学で言う類似性の法則ですね。
逆に、名前を名乗らない場合やメルマガ以外の自動配信メールでは、ひとことや編集後記は不要です。

Q. メルマガのネタ出し、コンテンツ制作が大変。。コツはありますか?

ネタ集めのコツは、普段からアンテナを張っておくこと、メモに残すこと、これに尽きます。
あるテーマの情報を効率的に収集したい場合は、無料のGoogleアラート(無料)がおすすめ。気になるキーワードを登録するだけで、WEB上にキーワードを含むコンテンツが公開されたら自動でメールなどで教えてくれます。
その他の情報収集の方法は、市場の情報収集を効率的に行う方法5選のページにまとめています。

Q. 資料ダウンロードや問い合わせなどの成果につながったのか、分析したい

メールきっかけで自社のウェブサイトで資料ダウンロードをした数を効果測定することは可能です。
アクセス解析ツールにもよりますが、例えばGoogleアナリティクスの場合はURL生成ツールを使用し、URLの末尾に識別子を付与することで分析できるようになります。
例)https://xxxxxxx.jp/?utm_source=news4&utm_medium=email&utm_campaign=spring2020 (太字が識別子部分)

Q. メール配信は、テキスト形式とHTML形式のどちらがおすすめですか?

当然、HTML形式です。
中には「会社がテキストメールでの表示がデフォルトだから…」といった声を聞くこともあります。しかしながら、ビジネスパーソン向けのあるサイトで、メルマガ購読をしていただくときに「テキストメールかHTMLメールかどちらが良いか」を選択してもらったところ、実に96%の方がHTML形式を希望しました。
(N:231名。2020年7月調査。会社のメールアドレスでの登録のみを抽出)
送る側もクリック率が高まるメリットがあるので、HTML形式にしましょう。

Q. メルマガのクリック率が良くなくて、社内での説明に苦慮しています

メルマガの開封率は、調査対象となる企業や調査方法にもよりますが、全体で平均すると20%前後とされています。そして、クリック率は2%~3%程度です。また、PCかスマホかというように、受信する環境によっても異なり、一般的にはPCに比べるとスマホは開封率が高い傾向があります。
(引用:業界別メルマガの開封率とクリック率の目安って?効果測定の正しい方法とは|配配メール)

メルマガの場合、コンテンツは1つだけでなく、いくつか盛り込む場合があります。また、関係構築のためにユーザーにとって役立つ情報を紹介していることも多いです。このようなメルマガの場合は、エンゲージメントがポイントになるため、ユニークなクリック率を指標とするのではなく、トータルクリック率を指標にするのもアリです。

筆者が運営しているビジネスパーソン向けの某メルマガの実績平均値は、(ユニーク)クリック率は8%トータルクリック率は18%でした。一般的なメルマガのクリック率よりそもそも高いのですが、それ以上にトータルクリック率が高くなっています。これは一人のユーザーがいくつかのURLをクリックしているか、同じURLをPCとスマホで見たり、後日見返したりしているということ。つまり、何度もみたくなるコンテンツ、エンゲージメントが高いと言えます。

Q. LINEなどが普及していますが、メールは有効な手段ですか?

BtoBでは有効です。有効か否かはターゲット顧客との顧客接点(タッチポイント)がどこかを意識すると良いです。
BtoCではコロナ禍の緊急アンケートで厚労省がLINEを採用した事象が象徴的ですが、LINEのように8,000万人に精度高くリーチできるタッチポイントはなかなかありません。AmazonなどECサイトもメールとLINEアカウントなどを併用している理由は、顧客とのタッチポイントを抑えるためです。

 

BtoBでメールマーケティングの成果を最大化するために

適切な顧客に、適切なタイミングで、的確なコンテンツを届ける

これができれば、メールマーケティングの成果を最大化できます。ただ、言葉で言うのはかんたんですが本当に難しい。とは言え、何をどうしたら良いかわからない方のために必要なことをいくつか紹介します。

顧客が欲しいコンテンツをウェブサイトに公開しよう

メールは、受け手が「この情報、助かる!知りたかったこと!」と思われたら最高です。セミナーなどの告知メールは別にして、良質なコンテンツをストックしておくことが絶対条件。購買プロセスの各ステージで必要なコンテンツを作成し、ウェブに公開することを優先しましょう。ステップメールの設計はコンテンツがなければできないことが多いためです。

顧客に会って、直接、話を聞こう

顧客は、何に疑問や悩みを持っているのか。特にBtoB商品・サービスの多くは、自分がユーザーにはなれません。だからこそ、1次情報として顧客の声を聞くことが大切です。

定量データはアンケートで取れますが、定性データや潜在ニーズは顧客ヒアリングの方が有効です。定性情報だと納得しない方や不安な方ってたまにいらっしゃるのでおもしろいデータを1つ紹介します。ユーザビリティ調査文脈の研究ですが、ヤコブ・ニールセンというアメリカのユーザビリティ研究の第一人者が発表している数式によると、3名の調査で問題点の約65%、5名の調査で80%以上を発見可能と言われています。つまり、3人にヒアリングしたらだいたいわかる、5人にヒアリングしたらほぼ間違いないということです。

 

以上、BtoBのメールマーケティングについて、基本やおもな指標、事例、開封率とクリック率を改善TIPSを紹介しました。BtoBマーケターやウェブ担当者の参考になれば嬉しいです。

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BtoBのメールマーケティング実践ガイド

【資料の内容】
1. メールマーケティングとは
2. メリット・デメリットをおさらい
3. 覚えておきたい、おもな指標
4. メールマーケティングの手法5選と活用事例
5. 開封率とクリック率を改善したい!本当に使える8個のTIPS
6. よくある質問

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