BtoBtoCとBtoBとBtoCの違いを考える上で、忘れてはならないたった1つのこと

BtoBのマーケティングは難しい。

BtoBの商品の開発/マーケティングに携わる方なら、誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

難しいと悩むのは当然です。

理由は、BtoBマーケティングは、BtoBtoCやBtoCとは絶対的に違うたった一つのことがあるからです。

「製品開発者は、消費者になれない」

「マーケティング担当者も消費者になれない」

例えば、カメラや歯ブラシであれば、製品開発者やマーケティング担当者自身が消費者として商品を使えます。「◯◯の機能が欲しい」「◯◯の悩みを解決したい」といった思いをそのまま商品に反映することができます。また、保育園のママ友やパパ友など身近な知人から情報を入手したり、気軽にヒアリングすることできます。

対して、BtoBの場合はどうでしょうか。

例えば、勤怠管理システムや半導体の場合、開発者やマーケティング担当者は消費者として評価することはできません。そして、勤怠管理システムや半導体を扱う消費者には気軽には出会うことができません。

つまり、かんたんには顧客を理解できないのです。

これが、BtoBマーケティングが難しいと言われる所以、逆に言うとおもしろい部分です。

 

今回は、BtoCとBtoBtoCとBtoBの違いを整理しながら、マーケティング戦略の違いを紐解いていきます。

 

BtoC(B2C)のマーケティングの代表例

BtoCとは「Business to Consumer」の略。

遊園地や飲食店など、消費者と直接結びつく企業や団体が代表的な例です。そして、BtoBtoCに近くなりますが、お菓子や飲料などのコンビニで売られている商品、携帯電話やLED電球などの家電量販店で売られている商品、車などの耐久消費財・・・
これらのBtoCにカテゴライズされる商品は、開発者やマーケティング担当者が自ら消費者として使用することができます。

 

BtoBtoC(B2B2C)のマーケティングの代表例

BtoBtoCとは「Business to Business to Consumer」の略。

例えば、何かしらのモノやサービスとして最終消費者が触れるもの・・・。BtoCに近いですが、企業と消費者の取引する間に別の会社が入ります。

これらのBtoBtoCにカテゴライズされる商品も、開発者やマーケティング担当者が消費者の気持ちを理解しようとすれば、わからないことはないです。

 

BtoB(B2B)のマーケティング

BtoBとは「Business to Business」の略。

BtoBにカテゴライズされるものは、得てして自分が最終消費者にはなれません。だから、その商品を使用して実際にどうやって使われているのか、課題は何なのかが明確にはわからないのです。

だからこそ、
製品開発者/マーケティング担当者は、最終消費者の現場へ足を運び、膝を突き合わせて声を聞くことが重要です。

BtoBの場合は「ヒントは現場にある」わけではありません。

「ヒントは現場にしかないのです。

これができている企業とできていない企業の製品スペックと、商品マーケティング力の差は歴然としています。

 

BtoB、BtoC、BtoBtoCにおけるマーケティング戦略の違いとは

一般的に言われるBtoBとBtoCマーケティングの違い

・検討期間の長さ

BtoBでも総額が安い商品やサービスは検討期間はそう長くない。逆にBtoCにおいても、家や保険の購入時は検討期間が長いこともあります。

・意思決定者が多数に渡る

BtoBでは、複数の担当者が購買に関わる組織的な意思決定が一般的です。例えば、課題提起をするマネージャー、商品選定を行う担当者、導入後に商品を利用して業務を行う実務担当者、意思決定をする経営層など。それぞれの立場や重視するポイントを抑えた提案が不可欠です。

しかしながら、BtoCの場合も、子どものための商品を購入する際は、子どもの意見、お母さんやお父さんの意見、時にはおじいちゃんやおばあちゃんの意見もあります。

 

つまり、BtoBかBtoCかBtoBtoCかを法人か個人の顧客で括り、マーケティング施策は違うと決めつけると、戦略や施策を行う上で間違いが生じます。

私自身は、BtoB・BtoC・BtoBtoCのビジネスを行っている企業に所属しているが、マーケティング戦略においては、一概にtoBやtoCでは括れないと常々感じています。

要は、「BtoBとBtoCのマーケティングの違いを、単純にtoBかtoCかの”顧客”軸で戦略をわけてることはできない」のです。

 

マーケティング戦略におけるBtoB・BtoC・BtoBtoCの本質的な違い

マーケティング戦略においては、その商品やサービスの「価格」と「理解度」がポイントです。この2軸でマーケティング戦略を改めて考えてみましょう。

価格軸と理解度軸のマトリクス

 

上図は、BtoB・BtoC商材を「価格軸」と「理解度」軸でマトリクスにしたもの。「理解度」軸とは、購入検討者の商品やサービスの理解度レベルにより、横軸の位置が異なります。

例)子どもの運動会を撮影するために、ビデオカメラが欲しい!

  • 理解度が高い購入検討者…ブランドなど自分なりの拘りポイントを持っている
  • 理解度が低い購入検討者…よくわからないから、知人に聞いたりネットで調べる。理解度が低い商品やサービスはニッチ商品が多い傾向にある。

 

購入検討の初期段階における購買行動の基本スタンス

上図は、検討顧客の初期における購買行動の基本スタンスをマトリクスにしたもの。例外はもちろんありますが、多くの商品やサービスがこのマトリクスに当てはまりやすいでしょう。

「価格軸」と「理解度軸」で見るデジタルマーケティング戦略&施策のマッピング

筆者自身は、BtoB商材・BtoC商材とも関わっていますが、常々疑問に思うことがあります。

それは、BtoBでは導入事例は鉄板ツールだという意見。

確かに、筆者自身も少し前まではそのように考えていました。正直、下記記事も書いています。

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しかしながら、BtoB商材であっても理解度が高い商材、例えば誰もがわかるオフィスで使用するペーパーや事務用品、パソコン、プロジェクターなどの大衆化した商品の場合、導入事例が鉄板ツールかと言うとそうではないことがウェブアクセス解析でも証明できました。(筆者は、上級ウェブ解析士でもあるため、このあたりの分析はある程度慣れている)

冷静に考えると、パソコンを購入しようとするのに導入事例ページ見ますか?多くの方は、導入事例をじっくりと読むことはないと思います。

しかしながら、「選び方ガイド」のようなコンテンツであれば、(低価格でさえなければ)多くの商材で検討顧客にとって有益なコンテンツになると想像できます。

 

最後に

これだけ書いておきながら大変申し訳ありませんが、上図のマトリクス表は未完成です。今後さらに様々なパターンを検証し、フレームワーク化していきたいと考えています。肯定、否定、叱咤激励、気になる点があればコメントでもダイレクトメッセージでも良いので連絡いただけると嬉しい限り。この記事が、BtoBやBtoCのマーケティング戦略を練る際に、ふと立ち止まって本質的な違いを考える際のきっかけになれば幸いです。

 

以上、「BtoBとBtoBtoCとBtoCの違いを考える上で、忘れてはならないたった1つのこと」をご紹介しました。

 

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