バイトして実感!スターバックスがみんなに愛される理由はビジョンの浸透にあった

バイトして実感!スターバックスがみんなに愛される理由はビジョンの浸透にあった

スターバックスやディズニーランドは人を魅了する強いブランド力がある。

でも、例えばスターバックスが好きな理由は人それぞれ。

  • コーヒーやフードが美味しい
  • あのちょっと贅沢な空間が好き
  • 雰囲気が落ち着く
  • 接客がすき
  • 店内でコーヒー片手にMacを触ることがかっこいい

など。

理由はさまざまにしろ、スターバックスとディズニーランドはなぜ多くの人を魅了しているのか気になって仕方ない。

今回はこの疑問を紐解いていく。

実は、私は数十年前にスターバックスでアルバイトをしていた。その実体験を踏まえ、この疑問に向き合ってみる。

 

スターバックスとディズニーランドの共通点とは

偉大な2つのブランドの共通点は、”非日常的な体験の提供”とか”本物である”とかいろいろある。

私自身ら「そこで働く人が好き」な点を挙げる。

要は”おもてなしの心“があるか否か。

実は、私自身がスタバでアルバイトをしていた時期があった。

大学生の頃だから、もうかなり前のこと。

大学4年生のとき、就職が決まり落ち着いた5月か6月頃から卒業までのたった半年間だけ、実際にスタバで働いて感じたことを記す。

まず、スタバで働きたかった理由。

それはたった一つ。

それまで居酒屋やアパレルのバイトをしていた自分にとって、たまにコーヒーを飲みに行くスタバで受ける従業員の感じのよい接客態度が不思議だった。

「なぜ、どこのスタバへ行っても気持ちのよい接客をしてもらえるのだろうか?いったいどんな従業員教育をしたらこうなるんだろう?」

あまりに気になって、スタバで働きたくて面接を受けた。

その面接で女性の店長に直球で伝えた。

「スタバの接客に興味があります。スタバで働いている方がなんでそんなに接客がいいのか実際に働いて実感したいんです。あと半年後には卒業して東京へ行くので辞めなければなりませんが、なんとかここで働かせてください」

と、自分の勝手な想いだけをストレートに伝えた。

結果はたまたま採用。

まあ、今から考えるとよく採用してくれたなって思う。
なぜなら、自分は大学4年の初夏、年明けには辞めなければならないからどう考えても半年程度しか働けない。

普通に考えると、採用したいとは思わない。

当時の女性店長、おそらく20代半ばくらいの方だったと思う。(違ってたらごめんなさい)

わかったわかったみたいな雰囲気を残しつつ、とびきりの笑顔で採用してくれた。

働き始めてから気づいたが、社員・アルバイトを問わずスターバックスでは「パッション」(=情熱=やる気)という言葉が職場で普通に飛び交っていた。

中に入ってから気づいたこと。スタバで働く社員やアルバイトはみな、スターバックスが好き!が前提で、後は、何かを得たい!とか、自分もお客様に気持ちよくなってもらう接客をしたい!コーヒーが好き!とか何らかの強い気持ちを持っている人が集まっているように感じた。

おそらくディズニーランドもディズニーランドが好き!が前提で、その他の強い気持ちを持っている人があの空間で働いているのではないだろうか。

「おもてなしの心」

この心って、楽しく誇りを持って働いていない方からは感じにくい。

こうしてスタバで働けることになった自分は、スタバが素晴らしい接客をする方ばかりである理由は「おもてなしの心」を持った方がたくさん集まっているからだと実感した。

スターバックスはミッション・ビジョンを現場に浸透させている

初勤務で最初に教わったことは「自分のお客さんを作ってね」

晴れてアルバイト面接合格後、初勤務の日がやってきた。
バックヤードでスターバックスのエプロンを身にまとい身だしなみをチェックし、あの憧れの店内へのドアを働く側として初めて開いた。

教えていただいたのは、ベテランのパートナーの仲間(スターバックスではアルバイトメンバーをパートナーと呼ぶ)

そして一番最初に教わったことは、「はやく自分のお客さんを作ってね」だった。
私は一瞬「はぁ?!」と思った。その後のやり取りから、お客様に話しかけて仲良くなってねということだとわかった。

スターバックスには”サードプレイス”(第3の場所)というコンセプトがある。
家と職場(学校)が第1第2の場所だが、この2つ以外に落ち着いてリラックスし安心できる場所を提供するということ。

お客様と仲良くなってということは、トモダチ感覚になるということではない。

私が考えるに、サードプレイスとは家でも職場(学校)でもないけど安心できる場所というのは、一言でいうと「おかえり」という雰囲気でつかず離れず優しく迎えてくれるところ。

つまり、心を落ち着かせることができる場所がサードプレイスなんだと思う。

このサードプレイス体験をインテリアやBGMなどの空間や接客で一貫して表現しているところにスターバックスとディズニーランドの共通点を垣間みることができた。

飲食店やアパレルのバイト経験がある私だったが、最初に教わったことが「お客様に話しかけて仲良くなってね」という言葉は衝撃的だった。

もしかしたら、そのベテランのアルバイト個人の方だけの新人育成法だったのかもしれない。

しかしながら、この教えはスターバックスのミッションやビジョンが末端の現場にまで一貫して浸透していることを裏付ける言葉だと今でも感じている

参考までにスターバックスの人事の考え方に関してまとまっている記事を紹介しておく。

従業員のモチベーションや組織へのロイヤリティをどう引き出せばいいのでしょうか。正社員・非正社員を問わず、「人を尊重する経…

 

スターバックスのお客をファンにする仕組み

スターバックスのFacebookファンページのファン数は、企業系では世界最大規模となっている。

オルタナティブ・ブログ

Tweet 米国スターバックスは、ソーシャルメディア活用の先進企業として、...…

このリンク先の記事では、「スターバックス、成功の背景にある企業文化」と称して、スターバックスが自社ブランドのこだわりを社員に浸透し続けたこと、また社員が直営店を舞台として顧客一人ひとりと交流する体験を持っていることなどの企業文化があり、それらが複合的にマーケティング3.0時代にふさわしい企業文化を生み出したと解説している。

では、スターバックスの店舗ではどのようなことが行われているのか。

スターバックスでは、サンプルの配布という行為をよく行っている。例えば、レジの隣りに食べ物の新商品を置いて無料試食の機会を設けている。また、ときには店の外に出て歩いている人に新作のドリンクを試飲していただこうとしている。

と、ここまではスーパーなどでも行っているよくある手法かと思う。

だが、スターバックスはこれだけに留まらない。

店内でコーヒーを飲みくつろいでいるお客様にも、店員自ら店内を回って声をかけて試飲や試食を勧める。(外食産業で積極的にこのようなことをしている企業を他に知らない)

それもただ配るのではなく、必ず商品のセールスポイントを提案する。

例えば、新作の食べ物であれば、こんな味だからこのコーヒーと合いますよ!といった話し方。

しかも、必ず自分が”実践”した上で感じた味をもとに話すため、みな自信をもって話している。

この一連の行為によって、お客様とコミュニケーションできる機会が増え、客からすると居心地の良い世界が作り出されることで次第に自分だけのサードプレイスができファンとなっていくのではないだろうか。

お客様との会話を重視するスターバックス

これは冒頭で書いた”おもてなしの心”の神髄にあたる部分だと感じる。

ファンにする仕組みと記載したが、スタバの従業員は誰もファンにさせようとは思って行動しているわけではない。

これがまたすごいところである。

 

まとめ。スタバの強みは、ビジョンが各店舗のアルバイトにまで浸透していること

自分がスターバックスの現場を経験した視点でまとめてみた。
ディズニーのことは、自分がお客として行ったことと巷で売れているディズニー関連本でしか知らないが、おそらくスターバックスのサードプレイスというコンセプトと通じるものがあると感じる。

たまたま縁があって半年だけ働かせて元パートナー(アルバイト)の身としては、これからもスターバックスのファンとして陰ながら応援していきたい。

 

おまけ。スタバとディズニーを知りたいときにお薦めの本

スターバックスもディズニーランドも数多くの本が出版されています。
スタバもディズニーも今まであまり読んだことがないという方は、入門編としては現場スタッフ目線から書かれている下記の本をおすすめします。

【スターバックス】

※アルバイトで入社し、店長、エリアマネージャー、構造改革リーダーを歴任した現場の方の著書。スターバックスについて書かれた本は数あれど、日本法人について書かれた本は実は少ない。スターバックスの組織論・人材マネジメントについて現場目線で書かれている。

【ディズニーランド】

※ディズニーの元キャストが語るディズニーの教育法。平易な文章であるため本をあまり読まない方でも読めると思います。

 

※上記とおなじく元キャストが語るディズニーへの「想い」。平易な文章ですが「想い」が伝わってきます。これを読むとディズニーで働いているキャストがさらに好きになると思います。

 

以上、「バイトして実感!スターバックスがみんなに愛される理由はビジョンの浸透にあった」を紹介しました。

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