展示会などのイベントに出展した後、出展レポートをウェブサイトに公開している企業を見かける。
「出展レポートページは公開する意味があるのか。BtoBのリード獲得や育成に効果があるのか」
「出展の告知はメルマガで行っているけど、出展後の開催報告も配信した方が良いのではないか」
以前から疑問に思っていたが、ある条件下では効果があることが判明したため、改めて整理した。
本記事の最後で「出展レポートページはリード獲得に貢献するのか」をダウンロードできます。お手元においてご活用ください。
出展レポートとは
出展レポートとは、展示会に出展した際の開催報告書のこと。展示会に出展した報告と、当日の様子が伝わる内容をまとめる。レポートと表現すると無味乾燥なイメージがあるが、淡々と記すのではなく、情熱を持って魅力的に伝え、自社プロダクトに興味を持ってもらうことが重要である。
出展レポートをウェブサイトに公開する4つのメリット
出展レポートをウェブサイトに公開するメリットは下記の4点だ。
1. 興味関心を高められる
出展レポートを見て自社プロダクトに興味を持っていただける可能性がある。
2. 来場者にメール配信でフォローできる
出展レポートをメール配信し、当日の詳細を伝えることができる。また、資料をダウンロードできる仕掛けがあれば、リード獲得&育成に繋がる。
3. ブースに来れなかった人にも伝えられる
突発的な予定が入り、展示会に来場できない人は一定数いる。メールアドレスがわかっていれば、出展レポートを配信することで展示コンテンツを伝えることができる。
4. 来場しなかった関係者にも(担当者を通じて)伝えられる
BtoBの場合、担当者が展示会に行くと報告書をまとめマネージャーやチーム内に共有する企業もある。その際に出展レポートページがあれば、担当者は「詳細はこちらでも確認できる」とURLを添えて簡単に伝えることができる。しかも、担当者だけでなく関係者にも情報が伝わる。
【事例】BtoBプロダクトの出展レポートページがリード獲得に貢献
上図は、私が管轄しているBtoBプロダクトの1つで、出展レポートページがリード獲得に貢献している事例である。
- 問い合わせに貢献したページランキングでは、出展(イベント)レポートページが1,2,4位と上位を占めている。
- 資料ダウンロードに貢献したページランキングでは、出展(イベント)レポートページが4位にランク入りしている。
ただ、この実績は私が管轄しているBtoBプロダクトの1つで起きている現象に過ぎない。
逆に、出展レポートページがリード獲得に貢献していない(貢献度が数値では見えない)BtoBプロダクトも多い。
この差は何だろうか?
確かにプロダクトの特性にもよるが、多くのBtoBプロダクトの数字を見ていると、リード獲得に繋がる出展レポートページにはいくつかの要素が詰まっていると感じる。
出展レポートページがリード獲得に繋がる絶対に外せない1つの要件と3つの要素
<絶対に外せないたった1つの要件>
- プロダクトのミライ(先進的な技術)を語っている
新しい技術は世の中に広がっていない。まだ知られておらずネットで検索してもヒットしないため、詳細を知るには資料を入手するしかない。
<3つの要素>
- プロダクトの動画を掲載している
魅力が伝わりにくいプロダクトは、動画を活用することで伝わりやすくなる。 - ブースコンセプトを魅力的に語っている
ブースコンセプトで語られるメッセージは、企業イメージやプロダクトイメージに直結する。 - CTAが設置されている
展示会で使用した資料がダウンロードできると、来場した人も社内共有が楽になる。
まとめると、「先進的な展示内容」「ブランディング(”○○なら会社名”の第一想起)に繋がるブースコンセプト」であれば、資料ダウンロードなどのCTAを設置した出展レポートページを公開した方が良いのではないか。
出展レポートページの参考サイト
出展レポートページのワイヤーフレームを検討するにあたり、改めていくつかの会社の出展レポートページを調査した。
ベーシック(ferret)のセミナーレポート
BtoBリード獲得方法をクローズドで大公開!SaaS各社がマーケの裏側を語った会をレポート!
ブログ形式でまとめている。プレゼン資料の画像もあり、全体的に読みやすい。
ページ下部には関連記事へのリンクがある。
富士通のブースレポート
5G、AI、ブロックチェーンなどDXテクノロジーにより創り出す未来社会を体感「CEATEC 2019」富士通ブースレポート
全体的に画像と動画が多く使われていて、端的な説明が読みやすい。富士通のDXってすごそうという印象が残る。
ページ下部には関連記事へのリンクがある。
日立の開催レポート
Hitachi Social Innovation Forum 2019 TOKYO 開催レポート
テキストの説明はほぼなく、動画がメイン。
Panasonicの開催レポート
出展レポート 第10回教育ITソリューションEXPO
ソリューションごとに画像付きで紹介している。動画はなし。
ページ下部には関連ソリューションへのリンクがある。
リード獲得&育成に繋がる「出展レポート」のワイヤーフレーム
出展レポートページは、誰に何をどのように伝えるかがポイントである。
主催者目線で「来場ありがとうございました」と言われても「あ、そう、それで」とナナメ読みされるだけと考える。
そこで、上述の出展レポートページの4つのメリットと、リード獲得に繋がる4つの要素を踏まえ、ワイヤーフレームをまとめた。
ワイヤーフレームの解説
- タイトル
・惹きつけるタイトルに。報告書のように思われるレポート名は使用しない。
NG:展示会/出展レポート、 OK:スペシャル/セミナーレポート - メインビジュアル
・ブース全体の雰囲気がわかる写真・画像 - 概要
・イベント概要(日時、場所、イベント名)とブース概要を説明
・ダイジェスト動画があれば掲載 - 詳細解説
・テーマを深堀り解説。○○なら信頼できそうと思われるような魅力的な内容に
・流し読みでもわかるように文章は簡潔にまとめる
・画像や動画は大きく
・プレゼンは動画で
・関連プロダクトがあれば、リンクを貼る - CTA
・コンテンツの途中に、文脈に沿ったCTAを設置
・資料をダウンロードできるようにする
※展示会で配布したパンフレットや説明資料をダウンロードできようにしておくと、来場できなかった方、また当日資料の入手できなかった来場者に対して製品を詳しく知ってもらうことができます。ダウンロードする際に、会社名や氏名、メールアドレスを登録させるフォームを用意しましょう。また、展示会では資料を配布せず、ダウンロードしてもらう方法もアリです。 - まとめ
・まとめとして、企業やプロダクトのメッセージを魅力的に伝える
・来場の御礼はマストではない - 関連情報
・関連プロダクトへのリンクを貼る - CTA
・資料をダウンロードできるようにする
その他
- ノベルティをアピールする
ノベルティや抽選会で景品を用意した場合は、見せ方によっては話題になるかもしれない。展示会レポートではないが、ノベルティをネタに事前告知から仕掛けを展開したベーシックさんのブログは一見の価値あり。
- 今後の出展情報やセミナー情報を記載する
出展内容に興味を持った方が来場の予定を入れやすいように、出展予定を記載するのもアリ。今後の出展予定をこちらから通知するために、メルマガ登録やSNSをフォローしてもらうなどのアクションにつながるようなCTAを入れるのも、見込み客とのつながりができるアイデアの1つ。
今回の仮説について
出展レポートをウェブサイトに公開するメリットは4つあります。
また、リード獲得につなげるには、絶対に外せない1つの要件と3つの要素があるという仮説を立てています。
確かに、あるBtoBプロダクトでは出展レポートがリード獲得に貢献していました。しかしながら、この結果はサンプルが少ないため、効果的とは言い切れません。
今後も数字を追いかけますが、同じBtoBマーケターの方で知見があればぜひ教えていただけると嬉しい限りです。
P.S. 本文の内容をプレゼン資料にまとめました。
以上、「BtoBサイトの出展レポートページはリード獲得&育成に貢献するのか?!」の記事を紹介しました。
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<戦略編>
<サイト構築編>
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- BtoBサイトの展示会出展レポートページはリード獲得&育成に貢献するのか?!(本記事)
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- PASONAの法則で信頼を獲得!BtoBサイトの課題解決ページの作り方
<テクニック編>