構造化データのマークアップによるWebサイトのリッチリザルト表示が進んでいます。2019年5月にはGoogleが新しいリッチリザルトとして「FAQ」と「HowTo」を公表しました。
「FAQ」のマークアップは、BtoC向けWebサイトでは多く見られていましたが、最近ではBtoB向けWebサイトでも実装されています。
そこで本記事では、「FAQ」の構造化データのメリットや実装手順を事例とともに解説します。
構造化データでマークアップするとはどういうこと?
構造化データとは、HTMLページの情報を検索エンジンが理解しやすいように、検索エンジンが理解できる言葉でタグづけしたもののこと。専門用語では、理解できる言葉のことを「記述方法」、タグづけのことを「マークアップ」といいます。
Googleは構造化データを提供してもらうことで、該当ページをより正確に理解できるようになります。Googleがサポートしている記述方法はの3種類ありますが、GoogleはJSON-LDの使用を推奨しています。
- JSON-LD(ジェイソン・エルディー)
- microdata
- RDFa
※ 参考:構造化データの仕組みについて|Google検索セントラル
FAQ(よくある質問)を構造化データで実装するメリット
FAQの構造化データを実装するメリットは2つです。
1. 検索エンジン(クローラー)がページ情報を理解しやすくなる
他の構造化データ実装にもいえますが、クローラーがサイトの内容を理解しやすくなるため、関連性がある場合に表示されやすくなったり、Googleアシスタントなどさまざまな検索機能の対象になったりします。
2. 検索結果画面がリッチになり、クリックされやすくなる可能性がある(リッチリザルトが表示される)
FAQの構造化データをマークアップすることで、リッチリザルトが表示される可能性があります。FAQが2つ表示されることで、視覚的に目立つようになる(画面占有率が高くなる)ためクリックされやすくなる可能性があります。
※ 構造化データのマークアップはSEOの順位に直接的な影響を与えません。あくまでも検索結果表示の見え方が変わるのみ、順位向上にはつながりません。
構造化データの種類は30種類以上
Googleで規定されている構造化データ(リッチリザルト)の種類は30種類以上。
よくある質問(FAQ)の他にも、BtoBで使われやすいものは5つあります。
- パンくずリスト
- 該当ページがWebサイトのどこに位置するかを示すことができる
- よくある質問(FAQ)
- 特定のトピックに関する質問と回答の一覧を掲載できる
- Article(記事・著者名)
- サムネイルより大きな画像を添えた見出しテキストなど、トップニュースのカルーセルやリッチリザルトの機能で表示される
- Event
- 展示会やセミナーなどのイベントをリスト表示することができる
- ハウツー(How-to)
- 一連のステップを順を追って説明するもの。動画、画像、テキストを利用可能
- Video(動画)
- 検索結果に表示される動画情報。動画の再生、動画セグメントの指定、コンテンツのライブストリームもできる
その他の種類は、Google検索セントラル内の検索ギャラリーを見るで確認できます。
【コピペできるJSON-LDサンプルコード付】FAQ(よくある質問)を構造化データで実装する方法と注意点、TIPS
FAQの構造化データ実装方法について解説します。
Googleが推奨しているJSON-LDでのサンプルコードを用意しました。このコードをコピーしてQAを埋めると完成します。
JSON-LDでのマークアップ方法
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "FAQPage",
"mainEntity": [
{
"@type": "Question",
"name": "質問文質問文質問文質問文質問文質問文",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "回答回答回答回答回答回答回答回答回答回答"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "質問文質問文質問文質問文質問文質問文",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "回答回答回答回答回答回答回答回答回答回答"
}
},
{
"@type": "Question",
"name": "質問文質問文質問文質問文質問文質問文",
"acceptedAnswer": {
"@type": "Answer",
"text": "回答回答回答回答回答回答回答回答回答回答"
}
}
]
}
</script>
※ 最後のQAの” } “の後には” , “が要りません。よくある間違いなので気をつけましょう。
注意点は?
FAQ構造化データがGoogle検索で表示されるようにするには、ガイドラインを遵守しなければなりません。
遵守しないと無効になり表示されないのでご注意ください。ガイドラインで特に注意すべき点は下記です。
- ページに含まれないFAQは設置できない
- 広告目的で使用しないこと
- 複数ページに同一のFAQ構造化データを設置できない
※ 詳しくは「Google検索セントラルのコンテンツガイドライン」を参照ください
FAQ構造化マークアップで使用できるタグ一覧
下記のタグが使用できます。他のタグは無視されます。
- h1~h6(見出し)
- br(改行)
- ol / ul / li(箇条書き)
- a(リンク)
- p / div(段落 / 分割)
- b / i / strong / em(太字 / 斜体 / 強調)
おすすめのTIPS
下記を意識して構造化データを記載すると良いです。
- ユーザーの悩みや疑問に寄り添ったFAQを用意する
- 最低2問※以上のFAQを設置する
- FAQが2問以上ある場合は、優先表示させたい質問※から構造化データで記載する
- 回答欄にアンカーリンクを設置する(ゼロクリック防止)
※ 2022年2月13日現在、Google検索結果画面ではPCもスマホも構造化データの上から2問が表示されます。以前は3問+もっと見るのパターンもありました。今後、仕様変更の可能性があり得るので4問以上設置しておくことをおすすめします。(例外があるかもしれません)
コードを実装したら公開前に検証しよう
マークアップしたら、公開前にGoogle公式「リッチリザルトテスト」で検証しましょう。
FAQの該当コードだけを貼り付け、[コードをテスト]をクリックしてテストできます。エラーが出たら修正します。
公開したら、Search Consoleで「インデックス登録をリクエスト」をする
公開したら数日から2週間程度で確認できますが、早く確認したい場合は、Google SearchConsoleの[URL検査]画面から[インデックス登録をリクエスト]をクリックしましょう。FAQが検出されインデックス登録されると、URL検査結果に「よくある質問」が表示されます。クリックすると、Googleに認識されている構造化データの中身を確認できます。
なお、インデックス登録のリクエストから反映までは数日程度かかります。
Google検索でFAQ構造化データが表示されている事例(BtoB編)
BtoCと比較するとまだまだ少ないですが、BtoBでもFAQ構造化データを実装している事例を見かけます。いくつか紹介します。
※ BtoC事例は「Google検索でFAQ構造化データが表示される導入事例|note」の記事がよくまとまっています
よくある質問
- Q. FAQの構造化データを実装すると、SEOで順位向上に繋がりますか?
- A. 構造化データ自体は一般的に、ランキング向上につながる要素ではありません。FAQの構造化マークアップについては検索結果画面で視覚的に目立つ(画面占有率が高くなる)ためクリック率の向上が見込める可能性があります。また、構造化データがあると Google がページの内容を理解しやすくなるため、関連性がある場合に表示されやすくなったり、さまざまな検索機能の対象になったりします。
※ Google公式サイトより引用
- Q. 制作会社に実装を依頼する場合、どのように指示すればよいですか?
- A. 次のような文言でご依頼ください。
「よくある質問の段落は、構造化データ(JSON-LD)でも実装してください」
- Q. マークアップしても検索結果に表示されないことはありますか?
- A. FAQの構造化データは100%表示されるわけではありません。例えば、検索結果の1ページ目に表示されていなければFAQの構造化データ表示されません。その他、違反やマークアップミスがなくても表示されるか否かはGoogleが判断するのでアンコントローラブルです。
※参考 :構造化データに関する一般的なガイドライン
まとめ
FAQの構造化データ(JSON-LD)でのマークアップ方法、メリットや注意点を解説しました。BtoBにおいても、コラム記事やサービスページによくある質問の段落を設ける場合には、構造化データでのマークアップを行うことをおすすめします。
コラム記事を効率的に書くためのテンプレートや記事コンテンツのSEOを成功させる方法もまとめているのでご一読ください。