Webを活用してビジネスを拡大している企業はBtoBでも確実に増加している。
一方で、BtoBビジネスはWebサイト上で完結する商談はほとんどなく、最後の最後は営業によるクロージングが必要なことが大半だ。
このようなBtoBビジネスの性質があるため、デジタルマーケティングが軽視されること、または多少の理解はあっても本気で取り組んでいないBtoB企業は多々存在する。
マーケッターの中には、Webに重きを置くことが重要だと理解はしているが、実際の業務ではデジタルマーケティングに時間を割けないと悩んでいる方が多いと感じる。
デジタルマーケティングは重要か?答えは顧客が知っている
BtoBのデジタルマーケティングの重要性について、周囲を説得することに苦戦している方がいたら、アンケート調査の実施をお勧めする。
下記の図はあるBtoB製品のアンケート調査である。
本製品を知ったきっかけは?ポイントは、情報収集手段の把握。
実施方法:導入顧客に対しアンケート調査を実施。(営業ではなく顧客がWebで直接回答)
設問内容:本製品を知ったきっかけは?
BtoB製品「A」の特性・・・単価が安く特定業界向けのニッチな商材。
BtoB製品「B」の特性・・・営業の紹介で売れると従来から考えられてきた商材。
上図の円グラフをみてどのように感じるだろうか。一口にBtoB製品といっても業界や商材特性、新規顧客かリピート顧客かなどの違いにより結果は全く異なる。
顧客アンケート調査を実施すると、仮設通りの結果になることもあれば意外な発見ができることもある。いずれにしても、周囲を説得するには数字で可視化することが最も効率的な方法である。また、次の施策を打ちやすくなる。
【テンプレート】BtoBの顧客アンケートの基本は5つの問い
顧客アンケート調査の設問項目が決まっていない場合は、下記を参考にしていただくと良い。
Q1.[商品・サービス]を購入する前にどんな事で悩んでいましたか? ⇒ 【課題の把握】
Q2.何でこの[商品・サービス]を知りましたか? ⇒ 【情報収集手段の把握】
Q3.購入形態は?(他社商品からの買い替え・自社旧商品からの買い替え・増設など) ⇒ 【購入形態別の傾向値の把握】
Q4.何が決め手となって購入しましたか? ⇒ 【顧客メリットの把握】
Q5.他に比較したメーカーはありますか? ⇒ 【競合の把握】
※Q3は必須ではないが、デジタルマーケティングを社内で浸透させたいという目的を持っている場合は入れた方が良い設問内容である。なぜなら、どの商品・サービスにおいてもWEBの重要性は高まっていると推測するからだ。新規で購入する顧客は、自社製品の入れ替えと比較し、よりWEBの影響度が高いのではないかと考える。
まとめ。BtoBのデジタルマーケティングに時間を割けない多忙なマーケッターへ
今回、BtoBのデジタルマーケティングにどれくらい力を入れるべきかの答えの1つとして、顧客アンケート調査を紹介しました。
私自身もこのアンケート調査に類似したことを実施しました。当初の目的は、「周囲の説得」のためでした(笑)。
この数値でデジタルマーケティングに関して周囲の理解を得られたことは言うまでもありません。また、副産物として「次の施策を打つための有益な情報」を得ることもできました。アンケート調査を実施し損はなかったと感じています。
顧客アンケート自体は古くからある手法ですが、「そんなことは感覚的にわかっている」といった定性的な営業の声に押され、意外とないがしろにされていることが少なくありません。
現状を知り、課題とやるべきことを明確にするために、顧客アンケート調査は一度取り組んでみることをお奨めします。
BtoBのデジタルマーケティングに時間を割けないと悩んでいる多忙なマーケッターの参考になれば幸いです。
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以上、「BtoBのデジタルマーケティングにどれくらい力を入れるべきか?その答えは、顧客アンケート結果で判断しよう」の記事を紹介いたしました。