超有名なブランド「HERMES(エルメス)」。
ボクは正直あまり興味がなくて、エルメスのことは知りませんでした。興味もわかず、ただただ高価なブランドってイメージしかなかった。でも、この「エルメスの道」という社史マンガを読んで、一気にエルメスが好きになりました。
だからエルメスが好きになる!歴史を切り開いた社史。
エルメスのロゴが意図すること
エルメスのロゴは、馬車とそばに立つ従者がいるのに主人がいません。
主役はあくまで、お客様ご自身ですという意図が込められています。つまり、従者はエルメスを創る職人、馬車はエルメスというブランドそのものを指しています。
エルメスの創業は、1837年にティエリ・エルメスが36歳のときにパリに高級馬具工房を開業したことが始まり。当時は、馬車こそが格別のステイタス・シンボルとして用いられていた。
その後、自動車産業の躍進・馬車文化の衰退といった時代背景を察知し、その上質な皮革を使用した鞄や財布などをつくり出す皮革製品事業に転身し今日に至る。
最高の馬具を作ることに費やす壮年期
1867年のパリ万博で銀メダルを獲得
「販売」そのものをひとつの専門職と思っていた天才的な商才のエミール
時代をリードした知られざるエルメスのエピソードの数々
世界で初めてショーウインドウを変える
従来の陳列の仕方はただ売り物を並べるに過ぎなかった。何かもっと別のものをイメージさせるウィンドウディスプレイの始まりを作り、今日までエルメスでは引き継がれ高い評価を保ち続けている。
アメリカの発明品「ファスナー」を採用し、世界中に広める
クウジュ・セリエという鞍を縫う特別な縫い方で、鞄や財布がパリの女性の目を奪う。その後もベルトやブレスレットなどへ商品を展開する。今では多くのスカートについているファスナーもエルメスが最初。実は、シャネルのアトリエにはファスナーを取り付けられる職人がいなかったため、しばらくの間はエルメスがシャネルのスカートのファスナーをつけていた歴史もある。
その他、懐中時計の鎖を初めて革に変えたのもエルメス、それが発展して今日の腕時計になっている。
完璧なブランド&品質管理と職人へのオマージュ
また、1982年から冠スポンサーを続けている「ディアンヌ・エルメス杯」。かつて19世紀にあった馬の周辺のエレガンスを再現したいとの意向から、クラシックカーや馬車を背景にして最も楽しいピクニックをコーディネートするというピクニック・コンクールも同時に催されている。
その他、品質管理と職人へのオマージュも完璧そのもの。
・どのスカーフもテーマ決定から製品として仕上がるまでに18か月かかる。
・同じ職人に同じ仕事が続かないようローテーションに気を使っている。
・手作りの商品には必ず番号が入っていて、それを作った職人がいつでも修理を請け負えるようになっている。
正直あまりファッションに明るくない読者であるボクレベルですら、一気に引き込まれてしまいました。実際、エルメスの店舗に行ってみたくなったし、何万円もするバッグがなんだか手頃な価格に見えてしまう魔法にかかっています(笑)
これはもう、コンテンツマーケティングというかブランディングというか・・・潜在層へのアプローチ施策の一つとして秀逸過ぎる事例です。しかも、この本の初版は1997年!約20年前に社史をマンガにしようとしたエルメスの感度に脱帽します。
マンガは、BtoBマーケティング史上最強のコンテンツかもしれない
このエルメスの事例はBtoCです。でも、BtoBのマーケティングを展開する上においてもこの上ない教材であり、興味深いマーケティング戦略ではないでしょうか。
特に、他社には真似できない技術を持っている老舗企業、長年シェアNo.1を維持している企業、世の中に新たな価値を提供している企業などは、その価値やストーリーをマンガというコンテンツに落とし込むと面白いと思います。
実際、ボクも5年前に導入後の成果をわかりやすくするという目的でマンガを作り展開していますが、未だにコンバージョンを多く生み出すキラーコンテンツであり続けています。ただ、視野が狭かった(笑)
今回「エルメスの道」を読み、もっと大きな視点でマンガコンテンツを活用することにしました。
BtoBでマンガを活用したマーケティングは効果絶大かもしれない
マンガ「エルメスの道」、全てのBtoBマーケッターに自信を持ってお勧めします。
あ~なんで今までこの本の存在に気づかなかったんだろう。