構造化データのマークアップによるWebサイトのリッチリザルト表示が進んでいます。構造化データのマークアップは最近ではBtoB向けWebサイトでも実装されています。
そこで本記事では、「Article(記事・著者名)」の構造化データのメリットや実装手順について解説します。
※ FAQ(よくある質問)の構造化データのマークアップ方法が気になる方はこちら
※ 動画の構造化データのマークアップ方法が気になる方はこちら
構造化データでマークアップするってなに?
構造化データとは、HTMLページの情報を検索エンジンが理解しやすいように、検索エンジンが理解できる言葉でタグづけしたもののこと。専門用語では、理解できる言葉のことを「記述方法」、タグづけのことを「マークアップ」といいます。
Googleの検索エンジンは、構造化データがあると、該当ページをより正確に理解できます。Googleがサポートしている記述方法は3種類あり、GoogleはJSON-LDの使用を推奨しています。
- JSON-LD(ジェイソン・エルディー)
- microdata
- RDFa
※ 参考:構造化データの仕組みについて|Google検索セントラル
Article(記事・著者名)を構造化データで実装するメリット
記事・著者名の構造化データを実装するメリットは2つあります。
1. 検索エンジン(クローラー)がページ情報を理解しやすくなる
クローラーがサイトの内容を理解すると、関連性がある場合に表示されやすくなったり、Googleアシスタントなどさまざまな検索機能の対象になったりします。
2. 著者名の構造化は、Googleが掲げる「E-A-T」を高める可能性がある
著者名の構造化データを記載することによるSEO効果は未知数です。他方で、Googleは検索エンジンの評価指標として「E-A-T」を掲げています。
- 専門性(Expertise)
- 権威性(Authoritativeness)
- 信頼性(Trustworthiness)
著者名を構造化データで明示することで、この3つを高める可能性があります。
特に、医療などのE-A-Tが重視されやすい傾向があるYMYL領域に関する記事は、実装した方が無難です。
※ 構造化データのマークアップはSEOの順位に直接的な影響を与えません。あくまでも検索結果表示の見え方が変わるのみ、順位向上にはつながりません
構造化データの種類は30種類以上
Googleで規定されている構造化データ(リッチリザルト)の種類は30種類以上。
よくある質問(FAQ)の他にも、BtoBで使われやすいものは5つあります。
- パンくずリスト
- 該当ページがWebサイトのどこに位置するかを示すことができる
- よくある質問(FAQ)
- 特定のトピックに関する質問と回答の一覧を掲載できる
- Article(記事・著者名)
- サムネイルより大きな画像を添えた見出しテキストなど、トップニュースのカルーセルやリッチリザルトの機能で表示される
- Event
- 展示会やセミナーなどのイベントをリスト表示することができる
- ハウツー(How-to)
- 一連のステップを順を追って説明するもの。動画、画像、テキストを利用可能
- Video(動画)
- 検索結果に表示される動画情報。動画の再生、動画セグメントの指定、コンテンツのライブストリームもできる
その他の種類は、Google検索セントラル内の検索ギャラリーを見るで確認できます。
【コピペできるJSON-LDサンプルコード付】Articleを構造化データで実装する方法と注意点、TIPS
Article(記事・著者名)の構造化データ実装方法について解説します。
Googleが推奨しているJSON-LDでのサンプルコードを用意しました。このコードをコピーしてQAを埋めると完成します。
JSON-LDでのマークアップ方法(著者が個人名の場合・非AMP)
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"mainEntityOfPage": "記事ページの正規URL",
"headline": "記事ページのタイトル",
"description": "記事ページのディスクリプション",
"image": [
"https://example.com/photos/1x1/photo.jpg",
"https://example.com/photos/4x3/photo.jpg",
"https://example.com/photos/16x9/photo.jpg"
],
"datePublished": "2015-02-05T08:00:00+08:00",
"dateModified": "2015-02-05T09:20:00+08:00",
"author": [{
"@type": "Person",
"name": "著者名",
"url": "著者のプロフィールURLまたは著者の公式サイトURL"
}]
}
</script>
※ 最後の” } “の後には” , “が要りません。よくある間違いなので気をつけましょう
JSON-LDでのマークアップ方法(著者が組織名の場合・非AMP)
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Article",
"mainEntityOfPage": "記事ページの正規URL",
"headline": "記事ページのタイトル",
"description": "記事ページのディスクリプション",
"image": [
"https://example.com/photos/1x1/photo.jpg",
"https://example.com/photos/4x3/photo.jpg",
"https://example.com/photos/16x9/photo.jpg"
],
"datePublished": "2015-02-05T08:00:00+08:00",
"dateModified": "2015-02-05T09:20:00+08:00",
"author": [{
"@type": "Organization",
"name": "組織名",
"url": "公式サイトのURL"
}]
}
</script>
※ 最後の” } “の後には” , “が要りません。よくある間違いなので気をつけましょう
おもな項目をかんたんに解説
Article構造化データ(非AMPの場合)
項目 | 必須・任意 | 説明 | 備考 |
title | 任意 | 記事のタイトル | |
description | 任意 | 記事の説明 | |
mainEntityOfPage | 任意 | 記事ページの正規URL | |
headline | 推奨 | 記事の見出し | 半角110文字(全角55文字)を超えないように |
dateModified | 推奨 | 記事が最後に更新された日時 | 「ISO 8601 形式」のフォーマットで記載します YYYY-MM-DDThh:mm:ss+09:00 |
datePublished | 推奨 | 記事の公開日時 | 「ISO 8601 形式」のフォーマットで記載します YYYY-MM-DDThh:mm:ss+09:00 |
author | 推奨 | 記事の著者 | Person または Organization |
author.name | 推奨 | 記事の著者または組織の名前 | 例:個人名 例:◯◯編集部 |
author.url | 推奨 | 記事の著者のWebサイトURL | ソーシャルメディアのプロフィールページ、略歴ページ、組織の公式サイトなど |
image | 推奨 | 記事を表す画像のURL | 最大で3つ 適切な画像が選択されるようにするために、アスペクト比が 16×9、4×3、1×1 の高解像度画像(幅と高さをかけて 300,000 ピクセル以上の画像)を指定 |
コードを実装したら公開前に検証しよう
マークアップしたら、公開前にGoogle公式「リッチリザルトテスト」で検証しましょう。
Articleの該当コードだけを貼り付け、[コードをテスト]をクリックしてテストできます。エラーが出たら修正します。
公開後に構造化データをチェックする方法
以下のサイトで、記事のURLを入力して確認できます。
著者欄の事例(BtoB編)
記事ページの著者欄をいくつかピックアップしました。著者欄の記載方法の参考にしてください。
よくある質問
- Q. 著者名の構造化データを実装すると、SEOで順位向上に繋がりますか?
- A. 構造化データ自体は一般的に、ランキング向上につながる要素ではありません。他方で、Googleは検索エンジンの評価指標として「E-A-T」を掲げています。従って、著者名を構造化データで明示することで、「E-A-T」を高める可能性はあると考えています。特に、医療などのYMYL領域に関する記事は、E-A-Tが重視されやすい傾向があるため、実装した方が無難です。
- Q. 制作会社に実装を依頼する場合、どのように指示すればよいですか?
- A. 次のような文言でご依頼ください。
「記事ページは、Articleの構造化データ(JSON-LD)でも実装してください」
- Q. マークアップしても検索結果に表示されないことはありますか?
- A. Articleの構造化データは100%表示されるわけではありません。その他、違反やマークアップミスがなくても表示されるか否かはGoogleが判断するのでアンコントローラブルです。
※参考 :構造化データに関する一般的なガイドライン
まとめ
Article(記事・著者名)の構造化データ(JSON-LD)でのマークアップ方法、メリットや注意点を解説しました。BtoBにおいても、コラム記事を作成する場合には、構造化データでのマークアップをおすすめします。
コラム記事を効率的に書くためのテンプレートや記事コンテンツのSEOを成功させる方法もまとめているのでご一読ください。